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法人課税の改正
今回の法人課税の改正は、「強い経済」の実現に向け、企業の国内投資や賃上げを強力に促す「メリハリのある体系」へと転換している点が大きな特徴です。過去の法人税率引き下げが必ずしも十分な投資や賃上げに繋がらなかった反省から、法人税率を引き上げつつ、高付加価値な設備投資や戦略分野(AI、量子等)の研究開発には大胆な減税措置が講じられます。 一方で、投資や賃上げに消極的な企業に対しては、租税特別措置(税の優遇)の適用を停止するなど、企業の行動変容を厳しく迫る仕組みが導入されます。積極的に挑戦する企業を重点的に支援する−−。現政権のそうした姿勢が色濃く現れた改正となりました。
賃上げ促進税制は、持続的な賃上げを後押しするため令和6年度税制改正で強化されましたが、足元では賃金上昇率が想定を上回る水準となり、制度創設時とは企業を取り巻く環境が大きく変化しています。こうした状況を踏まえ、これまで拡大の一途だった本税制が、いよいよ縮減の方向で見直されることになりました。 具体的には、大企業向け措置は適用期限を待たずに廃止され、中堅企業向け措置は令和8年度に要件を強化したうえで継続し、適用期限をもって廃止されます。一方、中小企業向け措置については、人手不足への配慮から、令和8年度は現行制度が維持されます。また、あわせて「教育訓練費に関する上乗せ要件」も廃止されることになりました。
いわゆる賃上げ促進税制(給与の支給額が増加した場合の税額控除制度)については、次の見直しが行われます。
①全法人向けの措置の廃止
すべての法人を対象とした措置は、令和8年3月31日をもって廃止されます。
【現行の全法人向け措置(令和8年3月31日に廃止)】
②中堅企業向け措置の見直し
次に、常時使用する従業員が2,000人以下の法人を対象とした中堅企業向け措置については、適用期限である令和9年3月31日の到来をもって廃止されます。ただし、令和8年4月1日から令和9年3月30日までに開始する事業年度については、制度内容が一部見直された上で適用されます。 具体的には、基本となる税額控除率10%が適用されるための賃上げ要件が引き上げられ、継続雇用者の給与支給額の増加率が4%以上であることが必要となります。
【現行の中堅企業向け措置】
③中小企業向け措置
中小企業向け措置は適用期限である令和9年3月31日まで現行制度が維持され、適用期限到来時に必要な見直しが検討されます。
④教育訓練費に係る上乗せ措置の廃止
教育訓練費を増やした場合の上乗せ措置については、法人の規模にかかわらず廃止されます。
【賃上げ税制の改正イメージ】
中小企業者等の事務負担を軽減する観点から、中小企業者等が少額減価償却資産を取得した場合には、取得時にその取得価額の全額を損金に算入できる特例が設けられています。 今回、近年の物価上昇により設備や備品の取得価格が上昇している状況を踏まえ、取得価額の基準を現行の「30万円未満」から「40万円未満」へ引き上げる見直しが行われるとともに、制度の適用期限が3年間延長されました。
中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、次の措置を講じた上、その適用期限が3年間延長されます。
①対象となる減価償却資産の取得価額を40万円未満(現行:30万円未満)に引き上げる。
②対象となる法人から常時使用する従業員の数が400人を超える法人を除外する。
なお、この特例には「少額減価償却資産」として損金算入できる金額の合計額に「1事業年度当たり300万円」の上限がありますが、今回の改正では、この上限は据え置かれます。
地方税については、eLTAXを通じた電子申告・電子納付の利用が年々拡大しており、納付方法としてもダイレクト納付の活用が進んでいます。一方、ダイレクト納付は、納税者が期限内に手続きを行っても、金融機関やシステム処理の都合により、実際の引落しが法定納期限の翌営業日となるケースが少なくありませんでした。
この場合、形式的には「期限後納付」となり、延滞金が発生する可能性があるという問題が指摘されていました。このように、納税者は期限内に適正な手続きを行っているにもかかわらず、純粋に事務処理上のタイミング差により不利益を被るという状況は、電子納付の普及を進める観点からも合理的とは言えません。そこで、電子申告・電子納付を利用する納税者の事務負担を軽減し、制度の利便性を高めることを目的として、次のような改正が行われることとなりました。
次の要件を満たす場合には、実際の納付日ではなく、手続日を基準として期限内納付とみなす取扱いが導入されます。
eLTAXにより行われる期限内申告等と併せて
①法定納期限当日にダイレクト納付の手続が行われていること
②納付又は納入すべき税額が1億円以下であること
この場合、実際の引落しが法定納期限の翌取引日となったとしても、法定納期限当日に納付または納入があったものとみなされ、延滞金に関する規定は適用されません。
なお、この取扱いは、令和10年4月1日以後に行うダイレクト納付の手続から適用されます。