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消費課税の改正

 

 

 今回の消費課税の改正は、インボイス制度の「社会的な定着」と、国境を越えた取引における「公平な競争環境の整備」が大きな柱となっています。インボイス制度については、制度導入時の経過措置が終了することに伴う急激な負担増を避けるため、激変緩和措置として経過措置が再設計されることになりました。

 具体的には、免税事業者からの仕入れに係る税額控除の適用期限が延長され、控除できる割合を段階的に縮小させることで、小規模な国内事業者の負担を抑えながら制度の定着を図ります。また、新たにインボイス発行事業者となった個人事業者に対して、一定期間、納税額を売上税額の一定割合に留めることができる特例を設けるなど、円滑な移行を支援する枠組みが整えられます。

 一方、国境を越えた取引について、国内外の事業者間の競争条件を平等にするための措置が強化されます。デジタルプラットフォームを介して行われる国外事業者の物品販売に対し、プラットフォーム事業者に納税義務を課す「プラットフォーム課税」が導入されるほか、これまで免税が認められていた少額輸入貨物等についても、国内事業者との不均衡を是正するために課税対象とされることになりました。

1.国境を越えた電子商取引に係る課税の見直し

(1)改正の背景

 

 現在、課税価格の合計額が1万円以下の商品を輸入する場合、その関税および消費税は免除されます。つまり、海外事業者が、通販サイト等を通じて、日本の消費者に1万円以下の商品を販売した場合、消費税が課税されません。一方で、国内事業者が1万円以下の商品を販売した場合は、通常通り消費税が課税されます。海外事業者の多くがこの制度を利用し、1万円以下の物品を大量・安価に輸入、日本国内で販売していることから、「国内事業者が競争上の不利益を被っている」ことが指摘されていました。

 さらに、制度の悪用事例として、国外事業者が、Amazon等のプラットフォーム事業者の倉庫に納品して消費者に販売している場合に、「国内取引として消費税の課税取引であるにもかかわらず、消費税が無申告になっているおそれがある」という点が指摘されています。
 これらの課題に対応するため、今回、消費税の少額免税制度について見直しが行われることになりました。

(2)改正の概要

①課税対象の見直し

 国内の小売事業者との公平な競走環境を確保するため、国境を超えて行われる通信販売のうち、1万円以下の商品について、諸外国と同様、販売者に納税義務が課されることになります。

 この改正は、令和10年4月1日から適用されます。

【課税対象の見直しのイメージ】

②物品販売に係るプラットフォーム課税

 プラットフォームを介する物品販売で生じている国外事業者の無申告に対応するため、これらの取引を仲介するプラットフォーム事業者に対して、消費税の納税義務を転換する「プラットフォーム課税制度」が創設されます。

プラットフォーム課税のイメージ】

 対象とするプラットフォーム事業者には、高い税務コンプライアンスや事務処理能力が求められることから、本制度は物品販売の合計額が50億円超の事業者が対象とされます。

2.国内に所在する不動産に関する役務提供等に対する課税の見直し

(1)改正の背景

 消費税の輸出免税制度は、原則として「役務の提供を受ける者が非居住者であり、かつその役務が国内で消費されない場合」に適用されてきました。

 近年、海外居住者が日本国内の不動産を取得・売却する事例が急増していますが、それに伴って、不動産仲介などの不動産関連サービスが非居住者向けに提供されるケースも増えています。これらの取引では、役務の提供先は非居住者であるものの、実際には国内に所在する不動産を対象とした取引であり、役務の内容や効果が国内で完結していると見ることもできます。

 こうした状況の中、居住者が国内不動産の売買を行う場合には仲介手数料等に消費税が課される一方で、非居住者であるという理由だけで輸出免税となる取扱いについては、税負担の公平性の観点から課題がある指摘されてきました。

 そこで今回、非居住者が国内不動産を売買する場合の仲介手数料等について、消費税の課税対象となるよう見直されます。

(2)改正の概要

 今回の改正では、非居住者に対して提供する「国内に所在する不動産に関する役務提供」について、輸出免税の対象から除外することとされました。

 具体的には、非居住者が日本国内の不動産を売買等する際の仲介手数料などが代表例として挙げられます。これらの役務提供は、従来は弁護士による法律相談などと同様に、非居住者向けであることを理由に輸出免税の対象とされていましたが、改正後は消費税の課税対象となります。

【改正のイメージ】

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