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法人課税の改正
今回の法人課税の改正は、「強い経済」の実現に向け、企業の国内投資や賃上げを強力に促す「メリハリのある体系」へと転換している点が大きな特徴です。過去の法人税率引き下げが必ずしも十分な投資や賃上げに繋がらなかった反省から、法人税率を引き上げつつ、高付加価値な設備投資や戦略分野(AI、量子等)の研究開発には大胆な減税措置が講じられます。 一方で、投資や賃上げに消極的な企業に対しては、租税特別措置(税の優遇)の適用を停止するなど、企業の行動変容を厳しく迫る仕組みが導入されます。積極的に挑戦する企業を重点的に支援する−−。現政権のそうした姿勢が色濃く現れた改正となりました。
「強い経済」を実現するには、企業が大胆な設備投資を行うことにより付加価値を生み出し、国際競争力を強化することが不可欠です。近年、国内の設備投資は増加傾向にありますが、供給力不足の解消や人口減少下での持続的な成長を実現するためには、この動きをさらに加速させる必要があります。 こうした背景を踏まえ、従来の税制では対象とならなかった大規模かつ高付加価値な投資を後押しするため、全業種を対象とした「特定生産性向上設備等投資促進税制」が創設されました。
この制度は、青色申告書を提出する法人が一定規模以上の設備投資を行い、産業競争力強化法に基づく設備投資計画について経済産業大臣の確認を受けた場合に、当該設備について即時償却又は税額控除のいずれかを選択して適用できる制度です。投資計画には投資額や投資利益率、資金調達手段、意思決定の体制などを記載する必要があり、計画の実現性が重視されています。 税額控除率は原則7%(建物、建物附属設備及び構築物は4%)、控除額は当期の法人税額の20%が上限とされています。また、控除限度を超える部分については、一定の要件の下で3年間の繰越が認められています。
【主な適用要件】
【対象設備と取得価額要件】
この制度は、令和11年3月31日までに産業競争力強化法に基づく設備投資計画の確認を受けた法人が、確認日から5年以内に取得等を行い、事業の用に供した設備を対象としています。
研究開発投資は、経済成長を加速させ、社会課題の解決を支えるイノベーションの源泉であり、「強い経済」を実現する上で重要です。近年、デジタル革命の進展により、科学とビジネスの距離が急速に縮まり、研究成果を迅速に事業化できるかが国力や産業競争力を左右する時代となっています。こうした環境変化を踏まえ、国家戦略上重要な技術分野への研究開発を重点的に後押しするため、研究開発税制に新たに「戦略技術領域型」が創設され、AI、半導体、バイオなどの重点技術分野については、既存制度とは別枠で高い税額控除率や控除上限、繰越控除措置が設けられます。 あわせて、企業の試験研究費の増加をより促す観点から、一般型の控除率カーブや控除上限の変動措置が見直されます。控除率の上限は維持しつつ、近年の物価上昇なども考慮し、研究開発投資を後押しする制度設計とされます。
①重点産業技術試験研究費の額に係る税額控除制度の創設
国が戦略的に重要と位置づける技術分野について、産業技術力強化法に基づく重点研究開発計画の認定を受けた研究開発投資に対し、非常に高い税額控除を認める新制度が創設されます。
【税額控除の内容】
【対象となる試験研究の範囲】
【適用要件】
②「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」の見直し
企業の研究開発投資を継続的に後押しする観点から、税額控除率の算定方法や控除上限に関する特例措置について見直しを行った上で、その適用期限が3年間延長されます。 具体的には、試験研究費の増減状況に応じて段階的に控除率が変動する仕組みを維持しつつ、計算式が見直されます。これにより、研究開発投資を増やす企業ほど控除率が高くなる構造が明確化されます。
【改正イメージ】
この改正は、事実上の制度の縮小です。従来は本制度が適用できていた企業が、適用できなくなるケースが出てくることが予想されます。なお、この改正は、令和9年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
③中小企業技術基盤強化税制の見直し
中小企業技術基盤強化税制について、研究開発投資の水準や増加状況に応じた各種特例措置の適用期限が3年間延長され、控除限度超過額の繰越制度が新たに整備されます。
(イ)税額控除率・控除上限に関する特例の延長 次の特例措置について、いずれも適用期限が3年間延長されます。
● 試験研究費の増減割合が12%を超える場合に適用される税額控除率の特例および控除税額の上限の上乗せ特例
● 試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える場合に適用される税額控除率の特例および控除税額の上限の上乗せ特例
(ロ)控除限度超過額の繰越制度の創設
税額控除額が当期の控除上限を超える場合、その控除限度超過額について、3年間の繰越しが可能になります。ただし、この繰越制度は、繰越を行う事業年度において、試験研究費の額が比較試験研究費の額を上回っている場合に限り適用されます。また、一般試験研究費に係る税額控除制度を適用している事業年度については、本繰越制度は適用できません。
④国内研究人材・研究開発拠点の維持強化のための見直し
海外への委託研究費について、国内の研究人材や研究開発拠点を維持・強化する観点から、諸外国と同様、研究開発費に含められる金額に一定の制限(令和8年度:70%、令和9年度:60%、令和10年度:50%)が設けられることになりました。