しがそうカラム

新・退職所得の受給に関する申告書~改正点と概要~

2022年に入って、退職金支給時に受給者から提出を受ける申告書が2回改正されています。
これらの改正点と、新しい申告書の概要を確認します。

支給時の源泉徴収事務

退職手当等を支給する際には、原則、源泉徴収事務が発生します。
具体的には退職手当等に対して源泉所得税(復興特別所得税を含む。以下同じ)と住民税を計算して差し引き、原則、翌月10日までに納める手続等を行います。退職手当等の受給者へは、原則、支給時に支払明細書、退職後1ヶ月以内に源泉徴収票・特別徴収票をそれぞれ交付します。
差し引く源泉所得税の計算方法は、「退職所得の受給に関する申告書」の提出があるかないかで、次のとおり異なります。
「退職所得の受給に関する申告書」(住民税は「退職所得申告書」として兼用)は、退職手当等の受給者がその支払を受ける時までに支払者へ提出する書類です。
この提出を受けた支払者は、提出期限の翌年1月10日から7年間保管し、その間に税務署長から求めがあった場合は税務署へ提出します。

申告書の改正

「退職所得の受給に関する申告書」は、2022年(令和4年)1月と4月に改正がありました。いずれも以下の令和3年度税制改正に伴い、改正されたものです。

(1)【1月】勤続年数5年以下の者への退職手当等に係る課税の改正
退職所得の金額は、原則、次の算式により計算します。

(収入金額-退職所得控除額)× 1/2


ただし、勤続年数5年以下の者の退職手当等(税法上の役員等の立場で受けた退職手当等を除く)について、退職所得控除額を控除した残額が300万円を超えるときは、上記算式ではなく、次の算式により退職所得の金額を計算する改正が行われました。
この改正は、2022年1月1日以後支払われるべき退職手当等からの適用です。

【(収入金額-退職所得控除額)> 300万円の場合】
150万円+{収入金額-(300万円+退職所得控除額)}
(2)【4月】確定拠出年金法改正に伴う改正
確定拠出年金法が2020年に改正され、確定拠出年金における老齢給付金の受給開始時期が、2022年4月1日から次のようになりました。
この改正に伴い、退職所得控除額の特例計算の適用要件の一つ、 “その年に確定拠出年金法に基づく老齢給付金として支給される一時金の支払を受ける場合の期間 ” について、次の改正がありました。
この改正は、2022年4月1日以後に支払を受けるべき確定拠出年金法の老齢給付金として支給を受ける一時金について適用します。

新しい申告書

簡易な方法による延長措置は、主に次の税目が対象となります。

  • 申告所得税
  • 贈与税
  • 消費税(地方消費税を含む。以下同じ。
  • 法人税(地方法人税を含む。以下同じ。)
  • 源泉所得税
  • 相続税

申告・納付期限

対象となる手続について、法定期限の翌日から4月15日までの間に、簡易な方法による延長措置を用いて申告と同時に延長を申し出た場合には、原則として、申告書の提出日が申告・納付期限となります。
この場合の “提出日”とは、原則として税務署への到達日ですが、たとえば電子申告や郵送の場合は、以下の日が “提出日”とみなされます。
仮に申告による納税がある場合には、原則として “提出日” までに納付をしなければなりません。
納付が可能となった時点で申告書を提出するとよいでしょう。

簡易な方法の記載例

2022年以降に「退職所得の受給に関する申告書」を作成する場合、①1月から3月まで、 ②4月以後、とで異なります。ここでは、②の「退職所得の受給に関する申告書」をもとに概要を確認します。

参考:国税庁 HP「令和 4 年版 源泉徴収のあらまし 退職所得の源泉徴収事務」

05.pdf (nta.go.jp)
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