しがそうカラム

インボイス制度の準備は進んでいますか?

インボイス制度の開始まであと半年となりました。準備は進んでいますでしょうか。
今回はインボイス制度の基本を振り返りながら、進捗の確認をしましょう。

インボイス制度とは

インボイス制度とは、原則として、消費税の適用税率や税額等を正確に知らせるための書類である適格請求書等(以下、インボイス)を、下表のそれぞれの立場で保存する制度のことをいいます。
【売手】
消費税の課税事業者である買手からの求めに応じてインボイスを交付し、その写しを保存(交付できるのは、適格請求書発行事業者のみ)

【買手】
仕入税額控除を適用するために交付を受けたインボイスを保存
このように、それぞれの立場で準備が異なります。

売手の場合

(1)誰が交付できるのか
適格請求書発行事業者は登録制であり、消費税の課税事業者でなければ登録申請するこ とができません。そのため、免税事業者は、インボイスを交付することはできません。

インボイスの交付を求めるのは課税事業者であることから、売る相手が消費者等であれば、適格請求書発行事業者になる必要はありません。
他方、売る相手が課税事業者の場合は、大抵の場合、適格請求書発行事業者になる必要が生じてきます。
特に売手が免税事業者の場合は、適格請求書発行事業者になるために課税事業者となるか否かを検討する必要があります。 (2)登録手続
インボイス制度の開始日(10月1日)を登録日とするためには、9月30日までに登録申請をする必要があります。
登録を済ませたら、買手に対して登録した旨や、交付するインボイスの種類などの情報を共有しておくとよいでしょう。 (3)インボイスの準備
適格請求書発行事業者になった場合には、どの書類をインボイスとするのか検討し、準備します。
インボイスには必須となっている記載内容の他、消費税の端数処理のルールなどがあります。システムを利用する場合、写しの保存方法も含めて改修などの対応が済んでいるか、確認しましょう。 (4)納税計算
売上に係る消費税額を計算する方法は、割戻し計算と積上げ計算があります。次頁(5)とあわせて検討しましょう。

買手の場合

(1)簡易課税制度の検討
免税事業者が課税事業者となった場合には、消費税の納税計算が必要となります。これまでよりも事務負担が増えるため、売上だけで納める消費税額が計算できる「簡易課税制度」の適用を検討しましょう。
「簡易課税制度」を適用する場合は支払関係のインボイスの保存が不要となるため、以下の検討は不要です。 (2)免税事業者への対応
インボイスの交付が依頼できない免税事業者との取引について、見直すか否かの検討は済んでいますか。
独占禁止法等の観点から、一方的な通告は禁止されています。交渉の際にはご注意ください。 (3)インボイスが必要な取引を抽出
3万円未満の自動販売機による飲料購入や公共交通機関の切符購入など、インボイスが不要な取引を除き、原則としてインボイスの保存が必要となります。
ただし、基準期間(個人は前々年・法人は前々事業年度)における課税売上高が1億円以下等一定の事業者は、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの期間、税込1万円未満の少額取引について、インボイスの保存を不要とする特例があります。
このように、インボイスが必要な取引と不要な取引とが混在します。インボイスが必要な取引を抽出し、どのようなインボイスの交付を受けるのか、事前に確認しておきましょう。
その際、インボイスが確実に経理担当者へ渡るよう、社内の流れもしっかり確認しておくと、開始後の混乱が防止できます。 (4)書類の保存方法等の検討
インボイス制度開始後、消費税の計算においては、以下の3つの書類に大別されます。
  • インボイス
  • 区分記載請求書(免税事業者等からの課税仕入に係る経過措置(80%・50%控除)の適用を受ける場合)
  • 上記以外
これらをどのような形式で受け取り、どう保存するのか、電子帳簿保存法の適用も踏まえて検討されるとよいでしょう。 (5)納税計算
仕入に係る消費税額を計算する方法も、割戻し計算と積上げ計算があります。前頁(4)とあわせて検討しましょう。
なお、免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けて、登録日から課税事業者となるなど一定の事業者は、最長約3年の間、消費税の納税額を売上に係る消費税額の2割とすることができる特例措置があります。
この特例は事前の届出が不要で、申告の際に選択する旨を申告書に付記することで適用できます。この点も、あわせてご確認ください。
今回ご案内したインボイス制度の詳細や簡易課税制度の概要は、別途、特別号をご用意しております。
そちらもご確認いただきながら、きたるべきインボイス制度のスタートに備えましょう。
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