しがそうカラム

【しがそう相続コラム】暮らしとお金の耳より情報2023年冬号

滋賀総合会計がお送りする、暮らしとお金の耳より情報。

Topic
遺言書の保管制度はご存じですか?


自筆証書遺言書の保管を法務局へ申請できる自筆証書遺言書保管制度が 2020年7月に始まりました。
今回は法務省の資料※から、この制度がどの程度利用されているのか、保管申請件数の推移をみてみましょう。

紛失の恐れなく、検認も不要に

この制度を利用することで、自筆証書遺言書を自宅で保管しているときに起こるかもしれない、紛失、改ざんや隠ぺいのリスクをなくすことができます。
また、遺言者の死亡後、相続人が自筆証書遺言を発見すると、家庭裁判所で検認の手続きをしなければなりませんが、この制度を利用すると、検認の手続きが不要となります。
制度が始まって2年が経過しました。月ごとの保管申請件数をみると、制度開始当初の 2ヶ月は2,000件を超えましたが、2020年10月を最後に2,000件を超える月はなくなっています。制度の認知がさらに進めば、利用も増えることが考えられます。
相続の心配ごとは、お気軽に当事務所までご相談ください。

法務省「法務局における自筆証書遺言書保管制度について」…制度の詳細は、以下のページをご参照ください。

自筆証書遺言書保管制度 (moj.go.jp)

遺産分割に関する民法改正と、相続税の申告期限

10年を経過した遺産分割についての民法が改正されたと聞きました。詳しく教えてください。
また、これに伴い、相続税の申告期限も変わりますか?




亡くなってから10年が経過した後の遺産分割は、基本的に法定相続分とする民法改正が、2021年4月23日に成立しました。
今回の民法改正に伴う相続税の申告期限の改正は、行われていません。

● 遺産分割に関する民法改正
これまでの民法では、被相続人が死亡し、相続が開始してから何年経過した後に遺産分割を行っても、その分割方法に制限などはありませんでした。そのため、遺産分割の協議や請求を早めに行うことにインセンティブが働きにくく、先延ばしや放置となっているケースも多くありました。長く放置しておいても、不利益がないためです。 しかし、遺産分割が遅れることは、本来は望ましくありません。長く未解決のままの状態にあると、さまざまな不都合を呼んでしまうこともあります。
たとえば、遺産分割がされないまま別の相続が発生すると、相続人の関係や遺産の共有関係も複雑化し、遺産の管理や処分が困難となっていきます。
また、長い時を経るうちに、生前贈与や寄与分などについての書類を失くしてしまったり、関係者の記憶が薄らいでしまったりして、具体的相続分※の算定が困難になるなどの弊害もあります。
相続人の誰かの行方がわからなくなってしまうと、所有者不明土地が生じる結果となります。 そこで、このような所有者不明土地を解消すべく、民事基本法制の見直しとして、遺産分割に関する民法の規定が改正されることになりました。

改正により、具体的相続分による遺産分割に一定の期限が設けられました。相続開始時から10年を経過した後にする遺産分割は、原則として具体的相続分ではなく、法定相続分によることになります(合意があれば、10年経過後でも具体的相続分による遺産分割は可能です)。
この改正は、経過措置(図参照)を除き、2023年4月1日に施行されます。 ● 経過措置:施行(2023年4月1日)より前に開始した相続はどうなる?
施行前に被相続人が死亡した場合の遺産分割については、経過措置として 5 年間の猶予期間を設けたうえで、改正後の民法が適用されます。 1. 施行時点ですでに相続開始から10年が経過している場合施行から5年の猶予
2. 施行から5年が経過する前に、相続開始から10年となる場合施行から5年の猶予
3. 施行から5年が経過した後で、相続開始から10年となる場合猶予期間なし
● 相続税の申告納税期限
相続税の申告は、被相続人の死亡を知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10ヶ月以内に行うこととされています。
たとえば、10月10日に死亡した場合は、翌年8月10日が申告期限です(土曜日・日曜日・祝日の場合、翌日が申告期限になります)。
この「10ヶ月」という期限について、前述の民法改正に伴う変更はありません。相続税 の納税期限は、上記申告期限と同じ日になります。 ● 未分割の場合の相続税申告納税期限
相続税の申告に際して、遺産分割協議が調わない場合(いわゆる「未分割の場合」)であっても、申告納税期限に変更はありません。未分割のまま申告納税を行います。未分割での申告納税では、相続財産を法定相続分で相続したものとみなして申告納税を行います。
その際、「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額の軽減」といった相続税を減額できる特例を適用することができません。
その後に分割が行われた場合は、実際に相続した財産、かつ、これらの減額を適用した後で相続税を計算し直すため、結果的には相続税を減額することはできます。
しかし、一時的にせよ未分割の状態で納税を行うことは、かなりの納税資金の準備を要し、大きな負担となります。その点もよく考えてご検討ください。 相続を考えているけど具体的によくわからない、相続税の節税をしたい等、相続でお悩みの方…

弊所では相続に特化した専門チームを設けており、創業当初から多くのお客様の相続をサポートしてきました。
遺言書の作成から相続対策・相続税の申告まで、相続のお悩みをまとめて解決いたします。
ぜひお気軽にご相談ください。

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高齢者の一時払終身保険加入と相続税対策

高齢者が契約する一時払終身保険は、相続税対策としてどのような効果があるのでしょうか。事例を用いながら、期待される効果と注意事項を解説します。
● ケーススタディー
78歳になる父が、銀行から相続税対策として生命保険を勧められ、よく理解しないまま契約手続きの約束をしてしまいました。父は既往症があり、今は生命保険に加入していません。今回提案を受けた保険は、高齢者でも健康状態の告知なく加入できるそうです。
相続が発生したときに相続税が非課税になると説明を受けたようですが、詳細は父も私もよくわかっていません。 父だけで契約するのは不安ですので、契約手続きには長男である私も同席しようかと思っています。
このような保険契約は、一般的に相続税対策としてどのような効果が期待できるの でしょうか? また、契約前に確認しておくことはありますか?
想定される父の法定相続人は、母(配偶者)、私(長男)、弟(次男)の3人です。
【銀行からの提案プラン】
  • 保険種類:一時払終身保険(円建て)
  • 契約者:父
  • 被保険者:父
  • 死亡保険金受取人:私と弟
  • 保険金額:1,500万円
  • 一時払保険料:1,495万円
▶ 回答
預金を一時払終身保険の保険料に一括して充当することで資産が生命保険に変わり、上手く設計すれば相続税の非課税枠が適用できます。
お父様の資産が多く、他に加入する生命保険がない場合、非課税枠の確保は相続税対策として有効と考えられます。 ● 相続税対策としての効果
亡くなった人が契約者、被保険者となっている生命保険で相続人が受け取る死亡保険金は、相続税の計算上、みなし相続財産として相続税の対象となりますが、受け取る金額が「500 万円×法定相続人の数」までは非課税(非課税枠)として扱われます。
今回の提案プランは、お父様が他に生命保険に加入していないことを前提に、法定相続人3人で計算した非課税枠である1,500万円に合わせて設定されたものと考えられます。
一般的に、下記の背景が明確なケースであれば、生命保険の非課税枠確保は相続税対策 として有効と考えられます。
  • お父様の資産が多く、保有状況から相続税の対象となることが見込まれる
  • 他に非課税枠が適用できる生命保険に加入していない
● 契約前に確認しておくこと
契約にあたっては、主に次の点に注意しながら、契約内容を確認しておきましょう。
  1. 生命保険は預金と比べて流動性が低く、途中解約時の返戻金は払い込んだ保険料より少ないことが多いため、経過ごとに返戻金がどれくらいになるか確認しておく
  2. 契約手続き時に渡される「注意喚起情報」の内容をしっかり確認する
  3. 預金を保険料に充当することでお父様の手元資金が減るため、生活設計に支障がないか十分に検討しておく
  4. 保険会社の健全性を示す指標を確認しておく
  5. 契約手続き後にお父様の意思が急に変わったときに備え、クーリングオフの流れを確認しておく
  6. 法改正により期待した税対策効果が得られない可能性や、経済情勢や金利変動によって、相対的に生命保険の資産価値が下がる可能性についても理解しておく
また、おそらく今回のプランでは考慮済かと思われますが、念のため、次の点もご確認 ください。
  1. 非課税枠を適用したい場合には、保険金受取人は相続人となる人(=非課税枠を適用できる人)になっているか確認する
  2. 民法上、保険金は相続時の遺産分割の対象とならないため、誰を受取人とするか慎重に検討する
高齢者の生命保険契約においては、理解不十分なまま手続きを済ませ、後日、取り消したい等のトラブルが多いといわれています。
トラブルを避けるためにも、お父様の意思を確認し、同席するご家族の方も契約内容を一緒に確認していただくことをお勧めします。

住宅や駐車場に適した土地とは

今回は、将来を見据えて土地を購入する場合の視点を解説します。
住宅や駐車場として利用しやすい土地を見抜くには、どこに注目したらよいのでしょうか。
● ケーススタディー
【相談内容】
金融資産中心の財産構成のため、将来の実需(子供の住宅用地)及び相続を見据えて、100坪程度の土地を購入し、しばらくの間、駐車場として賃貸したいと考えています。
つきましては、住宅及び駐車場に適した土地を選ぶポイントを教えてください。
【ワンポイントアドバイス】
住宅及び駐車場に適した土地を選ぶポイントは、主に次の4点です。
  1. 形状
  2. 道路
  3. 地勢
  4. 用途地域

一つ一つのポイントを、詳しくみていきましょう。 ポイント① 形状
土地の形状は、整形地(長方形や正方形など、形がある程度整っている土地)がよいでしょう。
たとえば100坪(約330㎡)の土地を想定した場合、間口15m超、奥行20m超の長方形が、理想の形状です。
一般的に、駐車区画は幅2.5m・奥行5m、通路部分は幅5mを目安としており、駐車1台あたりに必要となる面積の目安は25㎡(2.5m×10m)となります。上記の理想の形状の土地ですと、通路の両側に駐車区画を配置することができるため、少なくとも1列あたり8台(20m÷2.5m)、2列で合計16台の駐車が可能となり、駐車1台あたりの面積は、目安より17.5%少ない20.625 ㎡(330 ㎡÷16 台)となります。

なお100坪の場合、駐車区画として最も効率のよい形状は、通路が不要となる間口65 m超・奥 5m超(65m÷2.5m=26台)となりますが、これですと駐車場以外の用途には適しておらず、お勧めはできません(滅多に実在しない形状でもあります)。
形状の最大のポイントは間口15m超です。15m未満の土地や、15mを大きく超える土地は、16台の確保が難しくなります。 ポイント② 道路
土地に接する道路は、6~10m程度の広すぎず狭すぎない幅員がよいでしょう。
将来、住宅用地としてお考えであれば、土地からみた道路の方角は南、土地が角地となるようであればさらによく、理想は土地が東南角地となるような道路です。 ポイント③ 地勢
地勢としては、平坦地がよいでしょう。
高低差があると駐車場整備費用が高額となり、かつ理想形状であっても駐車台数が減少する可能性があります。また、平坦地は駐車しやすいため、需要も多くなります。 ポイント④ 用途地域
第1種・第2種低層住居専用地域を除く、住居系地域(第1種・第2種中高層住居専用地域、第1種・第2種住居地域、準住居地域)及び近隣商業地域がお勧めです。
第1種・第2種低層住居専用地域は、住環境はよいのですが、駐車場として賃貸したい場合には敬遠したい地域です。理由として、この地域は建蔽(ぺい)率が低く、自宅敷地内で十分駐車場を確保できるケースが多いこと、また分譲マンションや賃貸住宅が比較的少ないため、駐車場の需要は限定的といえるでしょう。。
なお、準住居地域や近隣商業地域の場合、月極駐車場に加え、コインパークの需要も見込める可能性があります。
住宅及び駐車場に適した土地は、相続税評価において、加算の必要はあっても補正は不要の土地となります。
一般的に、土地の個別要因によって生じる評価(価格)の加算や補正の程度は、相続税評価よりも、実際の取引(実勢価格)の方が顕著です。住宅や駐車場に適した土地を購入することは、相続対策としても有効となるケースが多いといえます。
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