しがそうカラム

【しがそう相続コラム】暮らしとお金の耳より情報2022年秋号

滋賀総合会計がお送りする、暮らしとお金の耳より情報。

Topic
相続税の簡易な接触件数、コロナ禍で増加


国税庁が行う簡易な接触とは、文書や電話による連絡または来署依頼による面接により申告漏れ、計算誤り等がある申告を是正するなどの接触をいいます。この件数が、コロナ禍で増加しています。

申告漏れ等の非違件数も過去最高

国税庁の調査結果※によると、令和2事務年度(以下、年度)の相続税の簡易な接触件 数は、前年度から57.9%増加して13,634件となり、集計を始めた平成28年度以降で最高 となりました。
一方、令和2年度の実地調査件数は5,106件と、前年度の半数程度に減少しました。コロナ禍で実地調査件数が減り、簡易な接触が増えたことがわかります。
令和2年度の簡易な接触件数のうち、申告漏れ等の非違件数は3,133件で3,000件を突 破しました。この件数も平成28年度以降で最高となっています。なお非違の割合は 23.0%で、前年度より3.4ポイント減少しました。
コロナ禍であっても、何らかの方法で相続税に関する調査等は行われています。相続税の申告はもちろん、相続に関する疑問や不安をお持ちの方は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

国税庁「令和 2 事務年度における相続税の調査等の状況(令和 3 年 12 月)」

令和2事務年度における相続税の調査等の状況|国税庁 (nta.go.jp)

成年年齢引下げに伴う贈与税率の改正~特例税率の適用

今年(2022年)3月に高校を卒業した孫(18歳)が大学へ進学したため、お祝いとして2022年3月に400万円贈与しました。成年年齢の引下げにより4月に成人となったため、10月の19歳の誕生日に成年祝いを兼ねて500万円贈与するつもりです。
この場合、適用される贈与税率はどのようになりますか。 なお、贈与税は暦年課税により計算します。




お孫さんは2022年1月1日現在、18歳です。
ご相談のように、贈与税について暦年課税により計算するものとした場合、3月の贈与400万円は一般税率を適用、10月の贈与500万円は特例税率を適用します。

● 贈与税とは
贈与税とは、原則、個人から財産をもらったときに課税される税金のことをいいます。
個人から財産を直接もらう他、例えば個人から借りていたお金の返済を免除してもらった場合のいわゆる「経済的利益」に対しても、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかります。
一方で、例えば生活費や教育費に充てるために通常必要と認められる親からの仕送りなど、財産をもらったとしても贈与税がかからない場合もあります。 ● 贈与税の計算
贈与税は、

(1) 暦年課税
(2) 相続時精算課税

の2つの計算方法があり、(2)の相続時精算課税は、一定の要件に該当する場合に自ら選択することで適用できます。
ご相談のケースは(1)の暦年課税により計算する前提ですので、次ページでは暦年課税について説明します。 ● 暦年課税
暦年課税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間のうちにもらった(贈与を受 けた)財産の合計額から、基礎控除額(110万円)を差し引いた残額に対して贈与税を計算する方式です。

【計算式】
(財産の合計額-110 万円)×贈与税率

この場合の贈与税率は、贈与者(あげた人)と受贈者(もらった人)との続柄や受贈者の年齢に応じ、「一般税率」もしくは「特例税率」が適用されます。 (1)一般税率
次の(2)の特例税率の適用を受けられない場合(例えば、父母や祖父母などの直系尊属以外の贈与者から財産をもらった場合や贈与の年の1月1日現在において受贈者が未成年者である場合)には、「一般税率」を適用します。
この「一般税率」の適用がある財産を「一般贈与財産」といいます。 (2)特例税率
次のいずれにも該当する場合には、「特例税率」を適用します。この「特例税率」の適用がある財産を「特例贈与財産」といいます。

  1. 受贈者から見て、贈与者が直系尊属であること
  2. 受贈者の年齢が贈与の年の1月1日現在において成年年齢に達していること

● 成年年齢引下げに伴う改正
これまで成年年齢が「20 歳」であったため、(2)②の年齢について、贈与の年の1月1日現在において「20歳以上」か否かで判定をしてきました。
これが民法の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに伴い、「18歳以上か否か」で判定することとなりました。
この改正は2022年4月1日以後の贈与から適用となるため、2022年中の贈与はこれまで の判定要素に加え、「何月の贈与」なのかも確認しないと計算ができないこととなります。 ● ご相談のケース
ご相談のケースは、お孫さんは2022年1月1日現在、18歳です。このような場合の適用 税率は、以下のとおり適用する税率が異なります。
  • 改正前の3月の贈与…「20歳以上」か否かで判定 → 一般税率
  • 改正後の10月の贈与…「18歳以上」か否かで判定 → 特例税率
なお、同一の年に「一般税率」と「特例税率」の両方がある場合の贈与税の計算は少し特殊です。また、「特例税率」を適用する場合に一定の要件に該当するときは、申告の際に一定の書類の添付が必要となります。 相続を考えているけど具体的によくわからない、相続税の節税をしたい等、相続でお悩みの方…

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戸籍の附票と住民票の違い

相続の手続きにはさまざまな書類が必要になりますが、中には似通った内容の書類があり、戸惑うこともあります。今回は相談事例を通じて、戸籍の附票と住民票の違いについてご紹介します。
● ケーススタディー
相続手続きについて調べていたところ、必要書類の一つに戸籍の附票がありました。
この戸籍の附票は住所を証明するものということですが、住民票と何が違うのでしょうか。 ▶ 基本的には以下のような違いがあります。請求先も異なりますので、ご注意ください。
  • 改住民票 → 現在の住所を証明するもの
  • 戸籍の附票 → その戸籍が作られてから現在もしくは除籍されるまでのすべての住所を証明するもの
● 戸籍の附票と住民票の定義
戸籍の附票と住民票は似ていますが、違いがあります。 (1) 戸籍の附票
戸籍の附票は名のとおり、戸籍に付随しているものです(住民基本台帳法(以下、法)第16条)。
その戸籍が作られてから、現在もしくはその戸籍から除籍されるまでのすべての住所が 記載されています。
本籍地の市町村と特別区に戸籍の原本と一緒に保管されているため、本籍地での請求が 必要となります。 (2) 住民票
一方、住民票は居住を記録するものです(法第5条・第6条)。
現在の住所地を管理するため住民登録をすることから、現住所の市町村で取得しま す。現住所の前に住民登録をしていた住所があるときは、従前の住所が記載されます。 ● 戸籍の附票と住民票の違い
戸籍の附票と住民票の違いについて下記表にまとめました(法第7条・第12条・第17条・第20条)。
自治体によって記載内容が異なる場合があります。省略されているものについては、申 し出があれば記載されます。
実際に必要となったときに請求先を間違えないよう、ご注意ください。

地代を据え置くことによる影響

地価が上昇しているにもかかわらず、地代を据え置いていると、どのような影響をもたらすのでしょうか。
ケーススタディーを通じて解説します。
● ケーススタディー
私が所有する土地の上に、私が100%出資していA 社所有のマンションがあります。
この土地の賃貸借に関して権利金の収受はなく、契約締結当時に算定した「相当の地代」を地代として収受する契約を締結しています。
近年、マンション周辺の地価が上昇していますが、地代は改定していません。このまま地代を据え置くことに問題はありますか?
なお、マンションは築後 20 年を超えて修繕箇所が増え、管理に手間がかかるため、A社を経営している息子から、売却の相談を受けています。


周辺の地価が上昇しているにもかかわらず「相当の地代」を改定していない場合、自然発生借地権が生じている可能性があります。
この自然発生借地権は、譲渡や返還、相続等が発生したときに、課税の問題が生じます。注意が必要です。 ● 権利金
建物の所有を目的とした土地の賃貸借契約に基づき、賃借した土地に対する賃借人(借地人)の権利部分を、「借地権」といいます。
この賃貸借契約の締結時に、借地権を設定した対価として賃借人から賃貸人に対して支払われる金銭のことを、「権利金」といいます。
地域の慣行として権利金の受け渡しがあるにもかかわらず行っていない場合は、原則として、権利金の認定課税が行われます。
● 相当の地代の算出方法
相当の地代は、土地の時価に対しておおむね年6%程度とされています。

相当の地代 = 土地の時価 × 年 6%

この場合の「土地の時価」は、課税上の弊害がなければ、対象となる土地の自用地としての相続税評価額、あるいは過去 3 年間における相続税評価額の平均額、などにより計算することも認められています。 ● 自然発生借地権
相当の地代は、前述のとおり土地の時価がベースとなりますので、土地の時価が上昇した場合には、相当の地代も上昇するはずです。

土地の時価が上昇(↑) ⇒ 相当の地代も上昇(↑)

この上昇した部分を地代に反映させず、地代を据え置いた場合には、その部分の借地権が発生したもの とされます。これを「自然発生借地権」といい、借地人に帰属されます。
● 設問のケース
相談の内容から譲渡を視野に入れているとのことですので、仮に相続が開始される前に譲渡された場合に、その譲渡の時点で「自然発生借地権」が生じていれば、課税の問題が生じてきます。
なお、どのような問題が生じるのかはケースによって異なるため、ここでの説明は割愛させていただきます。
同族間の不動産の賃貸借は、常に課税の問題が絡んできます。今回の課税の問題の詳細を含め、相当の地代の改定については、お気軽に当事務所へお問い合わせください。
相続に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
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